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今日読んだ本の感想を、書いていくだけのブログです。
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タイトルに惹かれて読みました。
結構分厚いんですが、気にならないほど面白い。

まず語り部が「死神」(妙に人間臭い奴)という点がユニーク。
時代設定は第二次世界大戦中のナチス配下のドイツ・・・・
そう、死神さんがとても忙しかった時代のお話です。

タイトルの「本泥棒」というのは、主人公の少女リーゼルの事。
実母に捨てられ養親のもとにやってきた彼女は、優しい養父に
言葉を教わり、やがて本を盗むようになります。
彼女と、彼女を取り巻く人々の日常が心細やかに書かれていて、
「アンネの日記」+「スローターハウス5」と評されているのも納得。

後書きに「上質の白黒映画を見ているよう」とありますが、まさしく
そんな感じですね。古い記録映画をみているような感覚です。
そして物語の所々に現れる色のなんと美しいこと。
――― 雪は白。空は青。
      空襲で焼けた空は赤。
      そして森は緑。彼の髪はレモン色・・・・
善人だけはいないけど、悪人ばかりいるわけでもない。
風が吹き抜けるようなラストには泣いてしまいました。

「言葉を揺する人(ワードシェーカー)」って言葉も素敵。
文章を書くってそういう事でしょ?
この作品には思わずにやりとする言い回しが出てくるけど、
一番好きなのはこれ↓

※※あなたを憎んでいる少年よりたちの悪い唯一のもの※※
     それはあなたを愛している少年



      早川書房  ¥2200
 

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